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コーヒーの話に少しお付き合い下さい(器具編)・・・

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以前にお店の話をさせて頂きましたが、

 

https://ameblo.jp/x9phz5p6/entry-12350013448.html

 

話ついでにコーヒーの話にもお付き合い下さい。

 

 

今でこそコーヒーは手軽に飲めるようになりましたが、

 

 

私がこの業界に入った頃は、

 

 

今から40数年前ですが、高価な嗜好品でした。

 

 

以前にも触れましたが、

 

 

当時は第一次珈琲ブームの頃で、

 

 

珈琲は胃に悪いとか、

 

 

高いとか言われていた時代です。

 

 

(あくまで私のいた環境での話です)

 

 

グランド喫茶とかは存在していましたが、

 

 

当時のコーヒーは酷い物でした。

 

 

大型のコーヒーマシーンで大量に抽出し、

 

 

注文の都度、行平鍋で温めなおすだけ。

 

 

抽出後は30分以内で消費する事などと

 

 

言われていましたが、

 

 

30分過ぎても平気で提供していました。。

 

 

当然ながら、

 

 

今ほどのクオリティーはありません。

 

 

 

そこで差別化を付けると言う事で、

 

 

小さな喫茶店や、スナック、

 

 

専門店が登場する事により、

 

 

珈琲のクオリティーも徐々に上がっていきました。

 

 

 

規模の小さなお店では、

 

 

大型のコーヒーマシーンは邪魔な存在になり、

 

 

抽出の方法も様々な形に分かれ始めたのです。

 

 

 

大きく分けると、

 

 

サイフォン式、ドリップ式、水出し式、

 

 

パーコレーター式、エスプレッソ式、メリオール式、

 

 

シェイカー式などだったと記憶しています。

 

 

 

その中で特に印象に残ったのが、

 

 

サイフォン式だったと思います。

 

 

次いで、ドリップ式、水出し式とありましたが、

 

 

それ以外は余程の変わったお店だけでした。

 

 

何れの器具にも特徴があり、

 

 

長所もあれば短所もあるもの・・・

 

 

 

 

当時の我々問屋側としては、

 

 

このサイフォン式を勧めていた様に記憶しています。

 

 

サイフォンは見た目にも良く、

 

 

いかにも専門店らしさが出ていたのと、

 

 

器具の価格と破損する割合が高かったので、

 

 

問屋側からすれば即売り上げアップが見込めたからです。

 

 

サイフォン式は経費が掛かると言い出す人には、

 

 

ペーパードリップ式を勧めました。

 

 

これは、ロートとサーバーから成り立っており、

 

 

コーヒーカップへの一杯取りでは

 

 

サーバーすら必要ありません。

 

 

少ない出費で営業が可能です。

 

 

 

 

しかし、みんながみんな素人ばかりでもなく、

 

 

凝りに凝った人たちも表れてきていました。

 

 

 

 

事実か事実でないかはさておいて、

 

 

珈琲の究極の抽出法はなんだと思いますか?

 

 

マニアの方は布ドリップ式だと言います。

 

 

私の意見もこれには賛成ですが、

 

 

人の考えは人それぞれですので意見が分かれる所です。

 

 

これから書く事は私限定になりますが、

 

 

面白くないと感じましたらスルーして下さい。

 

 

 

 

ドリップ式と言えば大きく三つに分かれます。

 

 

ペーパードリップ式と布ドリップ式、

 

 

そしてメッシュフィルタードリップ式。

 

 

それぞれに短所と長所があり、

 

 

メッシュフィルタードリップ式の場合は、

 

 

ペーパーすら使用しないので、

 

 

維持費がかからないのが特徴です。

 

 

イメージ的には目の小さな茶こしで濾す感じです。

 

 

メリオール式と原理は同じ様なものです。

 

 

綺麗に濾す事は難しく、

 

 

どうしても豆の粉臭さが残ってしまいます。

 

 

殆どの専門店は選択しません。

 

 

 

実用性のあるものとしては、

 

 

ペーパードリップ式と布ドリップ式が上げられますが、

 

 

ペーパードリップ式も、

 

 

ロートに開けられた穴の数により

 

 

大きくは3種類に分類されるでしょう。

 

 

1つ穴、2つ穴、3つ穴。

 

 

私が知らないだけで、

 

 

もっと多く存在するかもしれません。

 

 

この穴の数と穴の大きさ、

 

 

そしてペーパーフィルターの質により、

 

 

珈琲をろ過する時間が変わってきます。

 

 

珈琲の粉の部分をお湯が通過する事で、

 

 

珈琲の味が決まる訳ですから、

 

 

ロートを選ぶ際にはこだわりも必要になります。

 

 

 

人それぞれでどれを選択するのかで変わってきます。

 

 

ペーパドリップ式の最大のメリットは、

 

 

手軽で衛生的である事。

 

 

管理もしやすく費用も僅かしかかからない事。

 

 

誰が淹れても大崩れがない事。

 

 

多くのコーヒー店ではこれを選択しているのも理解できます。

 

 

 

 

 

これに対して、

 

 

本当の意味の珈琲専門店。

 

 

布ドリップ式はフィルターの管理が難しく、

 

 

素人では使いこなせるものではありません。

 

 

最初の一杯目と80杯目では当然味が異なってきます。

 

 

その為、最初に使う場合に布フィルターは、

 

 

珈琲の粉で煮込んでから使用するのですが、

 

 

保管するのも酸化を防ぐ為に冷蔵保存が必須です。

 

 

更に、毎日同じ味を提供するとなれば至難の業・・・

 

 

 

 

 

さらに、

 

 

布ドリップ式は大きく3つに分かれます。

 

 

 

まずは一つ目。

 

 

 

マニアックなところで、

 

 

ばんじろ式ドリップ法。

 

 

これは、浸透式ドリップ法と呼ばれ、

 

 

日本初の珈琲職人『井野耕八郎氏』が考案したもの。

 

 

珈琲の成分を100%生かすというやり方。

 

 

最近、この幻の店が復活したらしいので、

 

 

詳しく知りたい方は、

 

http://www.data-max.co.jp/290828_dm1716_2/

 

 

ご覧下さい。

 

 

 

 

二つ目と三つ目は、

 

 

布ドリップの際に、

 

 

フィルターを固定するか固定しないかの違い。

 

 

同じ様に考えられますが、

 

 

味はまるで違ってきます。

 

 

 

 

更に、この3通りに共通しているのが、

 

 

布フィルターを自作しているか既製品を使用するかです。

 

 

既成の布フィルターも入手する事は可能ですが、

 

 

味を追求するならば、

 

 

やはり自作するのが一番でしょうね。

 

 

 

 

あくまでも、私の考えですが、

 

 

ペーパードリップ式で90の味だとするならば、

 

 

条件によってですが、

 

 

布ドリップ式は100近くの味が出せるものと思います。

 

 

そして、

 

 

布ドリップ式では安定して100近くの味をキープする事は

 

 

とても至難の業です。

 

 

 

体調や気温、その他いろいろの条件で、

 

 

場合によっては80くらいの味しか出せない事もあります。

 

 

それだけ技術的なものが絡んでくる訳です。

 

 

 

フィルターも手作りと既製品では雲泥の差が出ます。

 

 

 

 

当時、友人に言われた事ですが、

 

 

『人間である以上、風邪をひく事もあるだろうし、

 

 

体調がすぐれない時もあるだろう。

 

 

常に100の味を提供する事は出来なくても、

 

 

平均して90の味は出せるのではないか?』

 

 

 

今はペーパードリップでも十分の様に感じます。

 

 

 

 

 

是非、ブラックで飲んで頂きたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日のマスターのつぶやきは

 

 

たかが珈琲されど珈琲でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までご覧頂きありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

珈琲も嗜好品ですから好みが分かれるんですね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 


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